四国・今治と本州・尾道をつなぐ「しまなみ海道」は島を巡り7つの橋で繋がれた“海の上を通る国道”だ。日本の中では唯一自転車の通行が可能な国道の橋梁とあってダイナミックな風景を見に世界中からサイクリストが集まるようになり、周辺施設やサービスも整ってきた。世界中でサイクリングが重要なインフラの1つになりつつある今。全長75km、獲得標高800mと「ちょっと頑張れば」走りきれるしまなみ海道走破に、トライしてみませんか?
サイクリングプランナー。04年アテネ五輪日本代表。チームブリヂストンアンカーに所属し、ヨーロッパプロレースや全日本選手権等多くの優勝を飾る。14年サイクリングイベントやスクール、コーチを行うリンケージサイクリング株式会社を湘南にて創業、人気を博している。
LINKAGE CYCLING
linkagecycling.com
Rapha(ウェアすべて)
www.rapha.cc/jp/ja-
今治を出発してすぐの大島・亀老山の展望台から連なる橋を眺める。
国道=高速道路ゆえに自転車は橋梁まで車とは違うルートを走る。
この「多々羅大橋」の上に県境が。愛媛県から広島県へ。
生口島の瀬戸田地区にはレモンやはっさくなど柑橘類の畑が多い。
向島から通ってきた「因島大橋」を眺める。
広島県尾道市から向島・因島・生口島・大三島・伯方島・大島を経て愛媛県今治市にいたる道路であり、それぞれ新尾道大橋・因島大橋・生口橋・多々羅大橋・大三島橋・伯方大島大橋・来島海峡大橋7つの橋で結ばれている。新尾道大橋以外は自転車で通行でき、現在自転車の通行料は無料だ。
自転車で渡ると総走行距離は75kmほどだが、橋梁の高さが70m以上あり、またアップダウンが多い島の中をライドするので疲労しやすく、初心者は意外に時間がかかる。初心者の場合、1泊2日でゆるりと走るのがオススメだ。
このエリアはもともと造船業が盛んな地域であり、橋のたもとである尾道市・今治市は今でも中規模船造船では世界でも屈指である。造船業で培われた技術で作られた厚い鉄板を使い焼いたお好み焼き(因島のものは特に「因おこ」と呼ぶ)はこの地の名物だ。一方、柑橘類の栽培も盛んであり、しまなみ海道を走ると巨大な船舶、造船所、のどかな柑橘畑、漂うお好み焼きソースの香り、そして瀬戸内の穏やかな海という景色に連続して出会うこととなる。
瀬戸内海に沈む夕陽。この地は夕やけの時間がとても長く続く。
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「僕が湘南でやっている初心者向けのコースでは、スポーツバイクに初めて乗った人でも30km走ります。今まで小学生から普段全然運動していない、という方までいらっしゃいましたが『走れなかった』という人はいません」と語るのは元アテネ五輪ロードレース日本代表にして数々のプロレースで優勝経験のある田代恭崇さん。
倍近い50kmくらいまでは、少し練習すれば走れるようになる、とのこと。あくまで“スポーツバイク”での場合だ。いわゆるママチャリが重量15kgくらいあるのに比べ、スポーツバイク、軽いものは7kgくらい。ママチャリだと10kgの米袋を背負って走るのと同じことになる。軽ければ軽いほど、運転する人の負担は減るのだ。
「レンタルでいいので、快適なギアを揃えると格段にサイクリングは楽に楽しくなります。1時間ごとに水を飲み休憩するなど、ゆったり計画することが大事です。せっかく島を巡るサイクリングですから、島時間でゆっくりと、島に1泊の予定で組むのが僕のオススメです」
- リンケージサイクリング代表。「安全に無理のない計画を立てるのが大事です」
- ONOMICHI DENM PROJECT仕掛け人。「東京から尾道に来て自転車乗るようになった初心者です」
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- スポーツバイク
- クロスバイクやロードバイクなど、舗装道を走るためのバイクだと長距離が格段に楽だ。橋梁の登りが多いしまなみではギア数20以上がオススメ。
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- ヘルメット・アイウェア・ボトル
- 車道を走るサイクリングではヘルメットとアイウェアは自分の命を守るためにマスト。また島ではコンビニが少ないのでマイボトルを持参しよう。
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- 目立つ色、快適な素材の服
- 夜間走行時のために、蛍光色が使ってある専用ウェアを着るのがオススメ。自転車専用ウェアだと汗をかいても快適に過ごせるようにデザインされている。
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- ヘルメットの正しいかぶり方
- 意外にできてない人が多い、と田代さん。ヘルメットは眉のすぐ上くらいまで来るように深くかぶり、後ろにあるアジャスターで調整すること。
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- つま先がちょっとつく高さのサドルに
- 最初は怖いかもしれないが、座ったときにつま先がちょっとつくくらいの高さが正しいサドルの高さ。こうすると脚が疲れないペダリングができる。
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- ギアチェンジの方法
- 「どんなスポーツバイクも左手側が前のギア、右手側が後ろのギアです」と田代さん。右手のギアで基本的に調整し、左のギアは坂道などで使用しよう。
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- 右に曲がります
- 自転車は右折の場合基本的には二段階右折をするが、左右に分かれるT字路などではこのサインを出す。車と同じで左折優先を守ろう。
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- 左に曲がります
- 左折の時はこのサインを出そう。信号の手前30mくらいで出すと周囲の車のみならず、後ろにいるサイクリストに伝わってスムーズだ。
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- 停まります
- 一番大事なサインがこれ。数人で走る場合、後ろのほうの人は赤信号が見えなかったりするもの。同じサインを出して後ろの人につないでいこう。
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