東京都の東側、荒川の左岸に位置し、緑豊かな落ち着いた住宅地でありながらも都心直通のスマートな交通網によって、ビジネスやショッピング、グルメ、エンターテインメントといったさまざまなコンテンツにアクセスできる西葛西。インド人とインド料理店が多いことから「リトル・インディア」の呼称でもよく知られているが、今回は街の魅力を知るため、人々の憩いの場や、この街ならではの名店を巡る。ナビゲーターは、インドの伝統楽器であるタブラの演奏者として国内外で活躍、またカレー通としても知られているユザーンさん。それでは一緒に、西葛西の魅力的なスポットを訪ねてみよう。
タブラ奏者
日本を代表するタブラ奏者。1998年からインドに通い、世界的なタブラプレイヤーであるザキール・フセイン、オニンド・チャタルジーの両氏に師事。2000年から2010年までASA-CHANG&巡礼に参加して注目される。これまで数多くのアーティストとの共演やレコーディングに参加し、2014年に初のソロアルバム「Tabla Rock Mountain」をリリース。またカレー好きとしても知られ『ベンガル料理はおいしい』『ベンガル料理が食べたい』等のレシピ本の監修もしている。
http://u-zhaan.com
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モダンな外観が目印の店に一歩入ると、途端に焼きたてのパンの香りに食欲をそそられる。種類豊富なパンがスマートに並べられていて、見 やすく、取りやすい。また店内奥にはレストランも併設されている。「見るからに美味しそうなパンがずらっと並んでますね。どれもこれも 食べたくなってしまいます。西葛西だけにタンドリーチキンパンも気になるけど、ここはやっぱりオーソドックスなカレーパンですかね」と ユザーンさん。
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パンの芳ばしい香りに誘われて、ユザーンさんの持つトングが様々なパンへと導かれていく。沢山の種類のパンが並ぶ中、人気となっているのは1日200個売れるというクリームパンとバターの風味の強いクロワッサン。御養卵を使った濃厚なクリームとしっとりと柔らかなパンの食感がたまらない。外側がカリッとしていて、中はもちもちの食感が特徴のパン・ド・ロデブにもファンが多いという。
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店の外にはテラス席が用意されていて、心地良い陽射しを浴びながら、焼きたてのパンやカフェの料理を楽しむことができる。ユザーンさんも、自らの記録用としてパンの写真を撮る。「カレーの画像しか投稿しないインスタグラムをやっているんですよ。このカレーパン、しっかり揚がっているのにしつこさが全然ない。もっちりとした生地もすごく美味しいです。さすがの人気店ですね」
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西葛西駅から徒歩5分ほどの場所に、緑溢れる散歩道として地元の人に親しまれている清新町緑道がある。さらに南に進むと、ボートと桜を楽しむことができる新左近川親水公園がある。「重たい楽器を運んでいることが多いのでタクシー移動が増えがちですが、荷物のない時にはなるべく歩くようにしてます。散歩は好きなんですよ。近くにこんな気持ちのいい緑道があったら嬉しいだろうな」
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新左近川親水公園には、元々貸しボート場であった場所をオリンピック・パラリンピックに向けて整備したカヌー場がある。ユニークなのは競技者だけでなく、初心者でも気軽に体験できる多目的カヌー場も併設されていること。「ちょっとやってみたいですね」と興味を持ったユザーンさんは、さっそくチャレンジ。利用時間は午前9時から午後6時までで、料金は大人が1時間100円、小・中学生が1時間50円とリーズナブル。
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スタッフにパドリング方法や注意点等のレクチャーを受けてから、いよいよ進水。ユザーンさんはしばし自由にパドルを漕ぎ、乗艇を楽しんだ。「こんなに楽しいのに1時間100円って信じられないコストパフォーマンスですね。時間があればもっと乗っていたかったくらい。今まで西葛西ではライブをするか、もしくはカレー屋探索をするかでしか来たことがなかったけど、晴れた日に歩いてみると色々な発見がありますね」
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インド料理に使う食材を仕入れるため、インド食材の店にもよく足を運ぶというユザーンさん。今回訪れたのは2006年にオープンして以来、近隣に住むインド人はもちろん、遠方からも食材を求めて訪れる人もいるという異国情緒あふれるお店。「品揃えもいいし、価格もリーズナブル。近所に欲しい店ナンバーワンです。個人的なおすすめはカレーリーフソルト。これ、本当に美味しいんですよ!」
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地元のインド料理店の人も多く訪れているというインド食材の専門店。明るく、気さくなインド人オーナーのプラサド・ビネシュさんが仕入れているスパイスは、どれもお手頃な価格で手に入る。「クローブやカルダモンなど、カレー作りの基本的なスパイスが少量ずつ1袋に入ったセットもありました。スパイス初心者の方にオススメですね」とユザーンさん。
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ユザーンさんが購入したのは、シナモンやクローブをはじめ、ココナッツミルク、ひよこ豆、小麦粉、バスマティライス(新米よりも古米のほうが高価)、イドゥリという南インドの蒸しパンを作るための粉。ユザーンさんは、コロナ禍でインドに行けない間も自らインド料理をつくって頻繁に食べているという。「長年インドに通っているうちに、カレーを食べずにはいられない体になってしまったのかもしれませんね。インド料理、本当に美味しいですから」
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緑道を歩いて公園でカヌーを満喫、そしてインド料理用の食材を手に入れた後、ランチにと訪れたのは「アムダスラビー」。西葛西から徒歩3分の場所で、近年盛り上がりを見せ、各地で店舗も増えてきているという南インド料理を提供するお店。ユザーンさんがオーダーしたのは、その代表格のマサラドーサ。さらに目の前には、皿から大きくはみだしたインパクト大の筒状の料理が現れた。
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店がオープンしたのは2013年。南インド料理をメインに提供している。特にNon-veg South Indian Thali(ノンベジ サウス インディアン ターリー/肉入りの南インドの定食)とVeg South Indian Thali(ベジ サウス インディアン ターリー/野菜入りの南インドの定食)が人気で、Masala Dosa(マサラ・ドーサ/スパイスが入ったジャガイモなどを、南インドの食事クレープ「ドーサ」でくるんだもの)もよく出ているという。店内はシンプルかつローカルな雰囲気で、落ち着いて食事を楽しむことができる。
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慣れた手つきで食事をはじめるユザーンさん。「インド料理って、やっぱり手で食べた方が美味しい気がするんですよね。特にこの『ミールス』という南インドの定食は手食がオススメです。以前はインド料理と言えば北インド料理を指すのが一般的でしたが、十数年前から南インド料理店も一気に増えてます」
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ユザーンさんが食べたのは、Masala Dosa(1,000円)とVeg South Indian Thali(1,100円)。Masala Dosaは豆と米のペーストで作られた筒状の生地をちぎり、中にあるジャガイモのマサラを包んで、カレー等をつけて食べるもの。またVeg South Indian Thaliは、カレーとサンバール(スパイスを使ったスープ)にポリヤル(野菜炒め)、ライス&プーリ(揚げパン)、そしてアチャール(インドのピクルス)等がセットとなっている。
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南インド料理を堪能しながら、音楽についても話をしてくれたユザーンさん。「まあインド料理も好きなんですけど、自分の中での優先度はもちろん音楽の方が上です。タブラを習うためにインドに行ったことで、カレーの美味しさもたまたま知っちゃった感じかな。インドにはこれからも通い、もっとタブラも練習して上達したいと思っています。でも、一度くらいは音楽と関係なく、ただただ美味しいカレーを探し続けるようなインド旅行もしてみたいですね」
※掲載の店舗・施設の情報(メニュー・価格・営業時間など)は取材時点(2022年11月10日)の内容です。
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蓮沼執太&ユザーン渾身のアルバム
お互いソロ活動と並行しながら共演・共作を続けてきた2人が満を持して作り上げた1枚。完全なインストゥルメント作品となっており、北インドの弦楽器サロードの演奏家Babuiをフィーチャーしたタイトルナンバー「Good News」をはじめとする全10曲を収録。どの曲も耳に心地よさを与えてくれる。
https://linkco.re/VP8fVtT8?lang=ja
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西葛西は、地下鉄やバスといった公共交通機関からマイカーまで、都心をはじめ多方面へのアクセスに優れる街。また周辺には、緑豊かな公園や緑道等の憩いの場が数多く存在します。そんな街に誕生するのが、クレヴィア西葛西。快適な暮らしと豊かな水、そして緑の潤いに触れ、住むほどに心が満たされていくこの街で、新しい生活をはじめてみませんか。
クレヴィア西葛西の外観は、建物本来のフォルムの美しさを重視。南・東両面が映える立体的なファサードデザインが存在感を与え、最上階のペントハウスを思わせる形状がグレード感を高める。さらに基壇部は、3層にわたるゲートデザインがシンボリックな佇まいを表現。時を経ることで味わいや風格が増す、邸宅感を纏った建物としている。また70㎡台の間取りをメインとした住戸には、可動収納・ウォールドアを採用した「間取りのない家」を導入。ライフステージの変化に合わせて、住空間を自由にプランニングすることが可能に。空間の可変性や、空間の繋がりに配慮した仕切りのスタイル、そして帰宅時や家事の際のスマートな回遊動線などが導入され、住まう人の満足が続く住まいを目指した設計となっている。
クレヴィア西葛西
ウェブサイトはこちら
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