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LIFE STYLE MAGAZINE CREVIA TIMES LIVE NO.

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例えばふと、のみの市で見つけ気になって買ったポスター。1枚あるだけで1980年という時代そのものを空気のようにまとっている花瓶。ヴィンテージ雑貨の魅力はなんといっても、そのものの「存在感」だ。ひとつあるだけでインテリアの核となり、部屋の空気さえ変えてしまうこともある。 一言に”雑貨”といってもその種類は幅広い。食器や花瓶、文房具や玩具など実用性を備えたもの。民芸品やアートなど、飾るためだけにに作られたものも。今回はヴィンテージ雑貨を今どきの住まいに取りいれる方法、特に新しいスタイルのコーディネーションについて、ヴィンテージ雑貨に造詣が深い郷古隆洋氏にレクチャーしていただく。

郷古隆洋
郷古隆洋

ユナイテッドアローズ、ランドスケーププロダクツを経て2010年に Swimsuit Department を設立。輸入代理店をはじめ、世界各国で買い付けたヴィンテージ雑貨などをトランクショー形式でのイベントも行っている

スイムスーツ・デパートメント
swimsuit-department.com

撮影協力
クレヴィア東京八丁堀 湊 ザ・レジデンス
マンションギャラリー
クレヴィア東京八丁堀 湊 ザ・レジデンス  マンションギャラリー
あなたの「理想の住まい」をおしえてください。 答えは、 コンテンツの 最後に。

シックな和の空間にも鮮やかな彩りを

  1. LIVING ROOM

    床の間をもっと自由に。ポップな色づかいのアイテムを配する、新しい飾り方。

    LIVING ROOM

    ソットサスのライト「Tahiti」とメキシコの陶器が床の間に彩りを与える。

    LIVING ROOM

    サボテンをモチーフとした90年代のアメリカのフラワーベース。

    畳のある「和」のスペースなのですが、あえてイタリア製のライトやメキシコ製の陶器など、明るくデザイン性に優れたものを選びコーディネートしました。ポイントは床の間に飾ったライトと陶器。床の間には背の高いものを置きたいと思っていたので、丁度良いかなと。ライトは80年代のもので、イタリアデザイン界の巨匠エットーレ・ソットサスの作品。ソットサスがデザインした一番有名なプロダクトは、MOMAにも保存されているオリベッティのタイプライターですが、彼が結成し所属した“メンフィス”というデザインチームは、デザイン界に「ポストモダン」の新風を吹き込み、世の中に熱狂的に迎えられました。合わせた陶器はメキシコの70年代のもの。この作品は夫婦の作家が手掛けていて、旦那さんが形を作り、奥さんが絵付けをする。このなんとも言えない色使いが魅力なんですよね。棚のほうは、国も年代もジャンルもバラバラですが、壁の色とオブジェの色や素材感などを考えて仕上げました。



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  1. LIVING ROOM

    壁に飾ったスヌーピーのヴィンテージポスターがなんともユーモラス。

    LIVING ROOM

    メキシコの歴史ある工芸品の生命の樹とイソギンチャクをモチーフとした花瓶。

    食事をするスペースというのは楽しくなければと考えていて、僕自身も食を大事にしています。なので、ポップな色合いの雑貨や色彩のある食器などを選び、部屋自体が楽しくなるようなコーディネートをしました。ポイントはテーブルの上のランプとお皿、そして窓際のキャンドルスタンドです。オイルランプは僕自身自宅でも頻繁に使用していて、灯すと時間の流れが変わったなと感じるくらい、ホワッとした感じがいいんですよね。それとお皿。これはピーター・シャイヤーというアメリカ人の作品で、80年代に作られたもの。“スプラッター”という、色を跳ねかけたようなデザインが特徴。この色合がなんとも魅力的です。窓際のキャンドルスタンドは生命の樹というメキシコの工芸品。スペインから入ってきたキリスト教とメキシコ人の陽気でおおらかな性格が生む感覚が融合してできたもので、モチーフとなっているのは、聖書に登場する生命の木です。これは実際にメキシコで使われていたもので、何ともいえない存在感があります。

STUDY ROOM

  1. STUDY ROOM

    作業スペースだからこそ好きなアイテムで。楽しい雰囲気の書斎を演出。

    STUDY ROOM

    「Genius at work(天才、作業中)」など思わずクスリとなるようなメッセージで自分を励ます!?

    書斎は、物事を考えたり、書き物をしたりする場所。鉛筆削りやテープディスペンサー、時計など、必然的にこまごまと道具が集まっています。ならば、好きなもので揃えようと考え、物選びをしました。個人的にメッセージやロゴの入っているものが好きで、中でも仕事にヒントとなるようなメッセージ性のあるものをセレクト。ポイントは鉛筆削りとペン立て、時計とテープディスペンサーの組み合わせです。前者は、黄と黒の色の組み合わせがポイントで、自分の中ではポップアートをイメージ。鉛筆削りはネルソンアソシエーツが60〜70年代に作ったもので、アメリカ的な大きさと形が魅力です。ペン立ては国内の骨董市で購入したものに、ペンシルというシールでカスタム。後者は、三角形のシャープなカタチの組み合わせがポイント。時計は鉛筆削りと同じネルソンアソシエーツのもので、個人的にも好きなブランド。そして真鍮製のテープディスペンサーはヨーロッパのものです。

STUDY ROOM

  1. BEDROOM

    シンプルかつ柔らかな印象のアイテムでコーディネイト。温かみのある空間に。

    BEDROOM

    カール・オーボックのライトにダネーゼの時計。素朴な素材感の組み合わせがポイント。

    物がゴチャゴチャとある寝室というのは、あまり落ち着かないかなと思い、ベッドルームに関しては、物の色やトーンを抑えて、遊び過ぎていないものをセレクトしてみました。この中では、ライトと時計がポイントですね。ライトは「カールオーボック」というオーストリアの工房で作られたのもの。オーストリアでは真鍮や木工、水牛の角を使用したアイテムが多く作られていて、その中でも特に真鍮は有名。かつてこの工房ではエルメスの道具なども作っていたことがあるほど腕は確かです。このライトは、真鍮製の足と竹製の本体が特徴で、意外な素材の組み合わせが個人的にも好きなんですよね。また、ライトと組み合わせたイタリアのダネーゼの時計。こちらはセメントを型に流してつくったもので、重量感と質感がとても良く、こちらも素材感がたまりません。これらのアイテムならば、寝室に置いても、目に刺激を与えることも少なく、よい雰囲気に仕上げてくれていると思います。

郷古さんインタビュー

  1. 郷古さん
    「コーディネイトは素材感と色の組み合わせ、そこに尽きます」

    僕がヴィンテージ雑貨を使って、部屋のコーディネートをする際、気をつけているのは、色や素材の組み合わせ。そこを一番大事にしています。後、大切なのは、その場所にふさわしいかどうかを考えてコーディネートをすることですね。モノの統一性に関しては、自分ひとりで選ぶと、自然と同じ雰囲気になるんだと思います。年代や様式など細かく考えず、まず欲しいと思ったものを購入することから始める。たとえ、そのものが部屋に合わなかったとしても、その行為と経験は必ず未来に繋がっていきます。後は、実際に自分の目で見て、買うこと。今はインターネットで何でも買うことができてしまいますが、それをすることなく、少し面倒でも、店に足を運んで、自分の目で実際に物を見て、お店の人と話をして購入をする。それが面白く、醍醐味だと僕は考えています。僕は現在、3ヶ月に1度海外に買い付けに赴き、また国内でも毎週のように行なわれる骨董市に足を運んでいます。特に東京、大阪といった大都市の骨董市は、海外によく行く人や住んでいた人も多くいることから、面白いものが見つかることも多いのでおすすめです。皆さんも、お気に入りのヴィンテージ雑貨を見つけて、生活がより楽しくなるようなコーディネートをしてみてください。

  2. LIFE STYLE QUESTION 郷古さんに聞きました。あなたの「理想の住まい」 をおしえてください。

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