人工知能を搭載した家電や多機能かつ処理速度を増した通信機器、そして自動運転システムを搭載するクルマと、日を追うごとに便利になっていく人々の生活。その波は子供から大人まで、老若男女に親しみのある文房具の世界にもやってきている。近年、パソコンで描いた図や取り込んだ画像を立体化する3Dプリンターが一般化したのを皮切りに、デジタル化、クラウド化も進み、次々と便利かつ近未来的な商品が登場するようになってきた。そして今回は、文房具に精通し、テレビや雑誌等で活躍をしている文房具ソムリエールの菅未里さんに、「未来の文房具」をテイスティングをしていただき、その魅力を伝えていただく。今後、さらに一般化していく可能性の高い未来の文房具、一足先に取り入れて、生活や仕事を快適かつ楽しいものにしてみませんか!
文具ソムリエール®。
毎日の生活がちょっと楽しくなる文房具を紹介するウェブサイトを運営。大学卒業後、文具好きが高じて雑貨店に就職しステーショナリー担当となる。現在は会社員として働く傍ら文具ソムリエールとしてメディアで文房具の紹介、執筆、撮影協力などの活動を行っている。
misatokan.jp
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正直なところ、生活にどう役立つかという点では未知数なのですが、実際に使ってみると本当に面白い。単純に立体を描くことができるのが楽しいし、どうしたら立体的になるのかを、色々と自分で考えながら手を動かしていくのはすごくいいところだと思います。子供の知育文房具としてもいいかもしれませんね。
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ペン先から押し出されるプラスチックのフィラメントで画を描くという初めての体験に少し戸惑う菅さん。
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まず一番はじめに自分の名前など、文字を書いて練習をしていく。これが中々難しく、思うように文字が書けない。少し慣れてきたところで、立体的なものにチャレンジ。ペンを下から上に引き上げストップボタンを、プラスチックフェイラメントが固まったタイミングで再びスタートボタンを押し、違う方向にペンを動かす。この動作を繰り返し、立体的な画を完成させていく。簡単そうに見える四角や三角などのシンプルな図形も立体的に描くのには練習が必要だ。
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色々と試していくうちに菅さんは少しコツを掴んだ様子。「何とか立体的にはなってきましたが、何を描いているかは自分でも謎です(笑)」
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ペン先の根元にあるヒーターによって、専用のプラスチックフィラメント(プラスチック樹脂)を溶かし出して文字や画を描くペン。溶け出たプラスチックはすぐに固まるので、立体(3D)を描くことができる。特別な知識(*説明書は必要)や環境が必要ないので、すぐに簡単に3Dを描く体験が可能となっている。価格はペン¥13,800(税抜)、フィラメント(25本入)¥1,500(税抜)
3Dペンを使うと、こんなことができる!
伊藤忠の住まいがお送りする「CREVIA CREATIVE CHALLENGE」ではこの3Dペンを使用して、理想の家を作りました。
CREVIA CREATIVE CHALLENGE
ウェブサイトはこちらナカバヤシ株式会社(3Dペン)
ウェブサイトはこちら
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パソコン周りのアイテムは、スペースをうまく使おうとして変わったカタチのものが多く出ているのですが、このキーボードはモノ自体がないので、究極の省スペースになります。フラットな場所に限定をされますが、基本的にどこでも使えるのも魅力ですね。あとは単純に近未来的でカッコイイと思います。
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タイピングのしやすさと反応の具合をじっくりと試す菅さん。
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レーザーで投影したバーチャルキーボードを使用してのタイピングが可能となっているガジェット。ブルートゥース機能を使用して、携帯電話やタブレット端末とペアリングさせれば、長文を打つのも楽々。コンパクトなのも持ち運びにも便利で、フラットな場所ならばどこでも使用が可能。カラーはホワイト、ブラック、シルバーの3色、価格は¥16,400(税抜)
CELLUON EPIC
ウェブサイトはこちら
(レーザーキーボード)
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リングマウスは、仕事のプレゼンなどの時にいちいちPCの画面を見るようなことをなくし、離れた場所からも色々な操作をすることができるので、歩きながらやアクションを交えたプレゼンをする際にも便利ですし、またスマートだと思います。アイテムとしてコンパクトなところも魅力ですね。
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まずは自由に動かし、菅さんはカーソルの反応と動きを画面でチェック。
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通常のマウスのように机の上で動かすという決まりはなく、離れた場所からも指先だけで操作が可能となっている。
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色々と操作を試してみる菅さん「確かにプレゼンなどの時などには便利ですね。PCの画面を見るために屈まなくてもいいですし」
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通常のマウスの機能を装備したリングで、パソコンにレシーバーを取り付け、指に装着すれば、指先で操作をすることが可能なワイヤレスマウス。仕事でモニターを見ながらのプレゼンや自宅で横になりながらパソコンを操作することも可能。通信距離は半径10m。カーソル操作、左クリック、右クリック、スクロールモード切り替え、戻るの計5ボタンを装備。価格はオープン。
SANWA RING MOUSE 2
ウェブサイトはこちら
(リングマウス)
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デジタルノートは以前も使ったこともあり、また販売もしていました。私自身は、ノートを他の人と共有する状況というものがないのですが、情報を共有しなければいけないという人にとっては、とても便利だと思います。また紙として保存もできるし、デジタルデータとして皆と共有もできるのがポイントですね。
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ノートに自由に文字や絵を描いてみる。菅さんが描いたのは、ニワトリとたくさんのヒヨコ。
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ノートに自由に文字や絵を描いたら、右下のボックスにチェックを入れるとデータとして取り込まれ、保存される。
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「手書きとデジタルデータが共有している部分はすごく便利でいいですね」と菅さん。
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通常の紙のノートのように文字や画を書き、ノートの右下のSAVE部分にチェックを入れるだけでデータ化が簡単にできる便利なノート。また、ACTION部分に数字を入れれば、データ化と同時にタグ付けやクラウドサービスへのアップロードも可能。種類はノートブックタイプの他にメモパッドタイプもあり(*各種アンドロイド版とIOS版が用意)、価格はオープン
KOKUYO CamiApp S
ウェブサイトはこちら
(デジタルノート)
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おもしろ消しゴムがきっかけで本格的に文房具にハマり、その後ノートやペンといったアナログなものを好きになってきたので、今回のデジタル文房具は新鮮でした。以前から興味はあったので、実際に触れ、使ってみて、その便利さや面白さを感じることができました。
元々デジタルというものは製作者の想定の範囲内で使うようにできていて、一方アナログはカタチはあるけど、使い方は自由なんですよね。現在はデジタルとアナログ、その双方が苦手とするお互いが持つ魅力を求める方向に向かって行っているように思います。今はまだアナログ世代の人が多く、デジタル系の文房具を使っている人はまだ少数派ですが、この先はきっと変わっていくと思います。今の子供たちは小さい頃からデジタルなものに囲まれ、使うことに慣れているので、将来的にその方向に向かっていくのは必然かと。
ただ私を含め、アナログ世代の人たちも、今後、感触を大事にするアナログの文房具の魅力を備えたデジタル文房具が出れば、きっと「いいかも!」と思えるはず。私個人としてはこの先、様々な筆先の感触を味わうことができるスタイラスペン(スマホやタブレットに直接文字や絵を書くペン)が出たらいいなと思っています。
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